映画「荒野に希望の灯をともす」〜百の診療所より一本の用水路を〜

中村哲さんのドキュメンタリー映画を見た。

悲しみとか感動とか、そんな言葉では表現できない。

ただ涙が流れ、言葉を失った。

「荒野に希望の灯をともす」

〜百の診療所より一本の用水路を〜

アフガニスタンで医療支援を続ける中で起こった大干ばつ。渇きと飢えで人々は命を落とし、農業は壊滅。

そんな中で、医療で人々を支えるのは限界があると考えた哲さんの決断。

それは無謀とも言える用水路建設だった。

専門家がいないまま進められたこの建設は苦難の連続。

それでも諦めることなく一つ一つ課題を乗り越え7年の歳月をかけて用水路を完成させた。

今ではこの用水路が運ぶ水で、荒野は広大な緑の大地へと変貌し、現在65万人の命が支えられている。

この「中村哲さんの生き方」は

おそらく見た人全員に

自己満足ではない支援とは何か、「働く」とは何か、生きるとは何かという問いを投げかけてくれる。

枯れ果てた大地が蘇り、実りと共に、人々が自分達の生活を取り戻していく過程で、

「私たちはただ、農地を耕し、大地の恵と共に、家族と一緒に暮らしたいだけだ」

そう話す人々の上を

他国の戦闘ヘリが大きな音を立てて通り過ぎていく。

あまりにミスマッチなこの光景に中村哲さんの言葉が心に響く。

彼らは人を殺すために空を飛び

われわれは生きるために地面を掘る。

是非多くの人に見てほしい。

◆映画館情報
ポレポレ東中野
JR東中野駅から徒歩3分
上映時間
2022年
10/8(土)~11/4(金) 10:00〜
11/5(土)~11(金) 20:30〜
11/12(土)~25(金) 17:00〜
11/26(土)~12/2(金) 14:20〜