中村哲さんのアフガニスタンでの活動を、1998年4月〜2019年4月までの21年間、回数にして25回亡くなってからの1回、約1000時間の記録を88分のドキュメンタリー映画にした「荒野に希望の灯をともす」
本日は、横浜シネマリンで、谷津賢二監督の挨拶があると聞いて会いにきた。
映画を見るのは2回目だけど、何度みても言葉にできない想いで、胸がいっぱいになる。
監督は、中村哲さんという人間について、
普段、ヨレヨレの作業着を着て、無精髭を蓄え、半目でつとつとと語り、お世辞にも立派とは言い難い、、、
それが、ひとたび村人への診療が始まると、目から火が出るような気迫がみなぎり、口は真一文字、限られた環境の中で最善を尽くす医師の姿へと変わる。
このオンオフの差。
そして、診療へのお礼として、村人からいただく一杯の温かいお茶を「あー、美味しい」と言って飲み干す光景には、カメラでは到底写すことのできない、人と人との確かな絆があったと。
また、21年間アフガニスタンに通ったわけは、やっぱり中村哲さんに会いたかったからだと話す。
それは、中村哲さんという人の中にある
慈しみ、平和、真心、希望、信義、親愛という、言葉も宗教も超えた、人として大切なものを見出しているからではないかと語っていた。
中村哲さんの中にある仁義。
仁とは他者を慈しむ
義とは正しく生きること、
そして、彼の持つ
素朴な勇気
素朴な倫理
素朴なユーモア
彼の机の上にある
中国司馬遷の本と
医学の本
その隣にクレヨンしんちゃんの漫画10冊。
「クレヨンしんちゃん、面白いから好きなんだよ」と笑っていたと、そう話す監督もまた楽しそうに笑っている。
今日は、監督の話を直接聞けて、より一層中村哲さんの一部に触れられた気がした。
157cmの小柄な体型の中村哲さんが残した医療への功績、そして70万人もの人を救った用水路の建設は、今も彼らの生活を支えている。
人間の可能性は、意志と信念と情熱を掛け合わせたなら、そこから生まれるものは計り知れないということを、この映画は静かに教えてくれる。

【荒野に希望の灯をともす】
横浜シネマリン
JR京浜東北線関内駅から徒歩7分
上映期間
2024年11月30日〜12月6日 10時〜
2024年12月7日〜13日 9時30分〜