前回の話に続く。
夜散歩を始めて、3ヶ月目の頃。
娘は少しずつ、今まで感じていた事を話し始めた。
「ずっと辛かった。毎日どうしたら死ねるかそればかり考えていた。
「毎日、かあさんが帰ってくるのが憂鬱で、湧いてくる怒りで、今日帰ってきたら殴ってやる、、、
殺したいと思ったこともあった」と。
「でも、
勇気がなくてできなかった」
そう話す娘に、返す言葉もない。
3歳から始まった私との二人暮らし。
私はうまくいかない人生に落胆しつつも、
そんな姿を見せまいと明るく振る舞い、
古くからの友人たちも私の取り柄はこの明るさだと言ってくれていた。
けれど、娘は、
私が発する言葉と行動の矛盾を感じていたと。
「母さんは私が何かある度に、そんなこと気にするな、笑い飛ばしてやれって言ってたよね。
だけど、母さんは笑い飛ばせてなんかいなかったじゃん。。。」
「、、、」
明るさとは真逆の感情。
娘は全てお見通しだった。
矛盾だらけの私の側で、
幼い娘には逃げ道はなく、
私に合わせて生きるしか選択肢はない。
娘もまた、私に負担をかけまいと
明るくサバサバした子、
強さを装い、
私が仕事から帰ってくるまで、誰もいない家で一人待ち、
疲れた顔しながら作ったご飯を一緒に食べ、
不自然に明るくしゃべる私の愚痴を笑いながら聞く。
私がイライラしている時は、その威圧的で重たい空気が終わるまで、ただ一緒にいた。
娘だけが知る私の姿。
自分を偽って生きている母親と一緒にいたら、子供も同様に自分ではいられなくなる。
あの頃の私と娘の関係は
見事なまでに親子逆転。
親である私が子供で、
幼い娘が私をケアする親になっていた。
次回に続きます。